●!ファンが急増中!
このお酒をグラスに注ぎますと、青リンゴを想わせるフルーティーな香りが広がります。清涼感があるのですが、優しい穏やかさがあります。出しゃばり過ぎないって感じですよ。派手ではありません。
口に含みますと、じ~んじ~んと膨らんで来ます。美味しさが口中に充満してきます。ぐんぐん迫ってきます。香りもいいけど、味わいのコクもしっかりしているからでしょうね。こうなると、思わずにっこりとしてしまいます。あぁ、やはりこのお酒いいなあと心で呟きます。
飲み込んでしまいたい、早く早く。こんな自分の心に正直になるように、ゴクッと一杯。目尻が下がってにやにやしてしまいますよ。
気がついたときには、思わずもう一杯とグラスに注いでいる自分がいます。
肌寒い夜には燗もいけますよ。36゜くらいのぬる燗の時にも美味しさが冴えます。温まっても香りが強すぎずにおつまみともあいます。
こんなに美味しいお酒なのに、こちら地元の静岡でもそんなに知られてはいません。だから萩錦を知ったら酒通の仲間入りでしょうぞ。
この純米吟醸以外の萩錦についても自分が惚れ込んでいますから、店頭でもねんごろに説明して、お飲みいただいています。萩錦全般にある傾向として、どれか1本、萩錦を飲みますと、次の萩錦の1本がほしくなるようです。その1本が季節酒でありますと、翌年も忘れずにそれを待ちわびてくれる方も多いです。
つまりいま、静岡酒で一番注目されている蔵元。それが萩錦であります。
小さな地酒蔵は季節にあわせたお酒を発売してくれます。この純米吟醸は季節酒ではなく、通年ある定番酒です。「あっ!あのお酒がほしいなあ」と思った時に必ずある。萩錦があると、仲の良い友達を持ったようなものです。
●まるでお酒から問われているようです
美味しいお酒は日本の各地にたくさんある。有名な銘柄も日本の各地にたくさんある。美味しいから有名とも限らないし、有名だから美味しいとも限らない。
では、萩錦の純米吟醸はどうだろう?
純米吟醸というカテゴリーは上級酒を造るメーカーならば、必ずラインナップにあるはずだ。それらの数ある純米吟醸と萩錦の純米吟醸とを比べてたらどうか。
お酒は嗜好品だから、人それぞれに好みがある。しかしこの味だったらかなりの位置になるはずだと自負します。
マグロの大トロとあわせてみますと、トロの脂、醤油にわさび、それだけで大満足なのですが、それ以上にこの上ない美味しさが待っていました。
萩錦にお刺身は、王道ですね。
ちなみに写真の大トロはスーパーで350円ほどです。数千円の価値はあるでしょう。
●私からあなたに問いたくなります
日本酒全体の中でも、萩錦の純米吟醸は香り高く、きれいでコクがある美味しいお酒だと自信があります。バランスが良く、欠点がないところが欠点のような酒質です。優等生で面白くないかもしれません。
私は酒屋としてこのお酒は一つの基準になり得ると思います。
一つの基準・・・そうです。あなたのベロメーターにお薦めします。
ベロメーターは舌メーターです。この優等生なお酒を日本酒の基準(ベロメーター)とすることが、他のお酒も美味しくなったり、料理ともあわせたりするのが美味しくなると思います。
堅っくるしい言い方をしますと、味覚の柱を持つことになるのでしょうか。常に揺るぎない味覚のベロメーターを持っていたいものですよね。
●萩錦のポリシー
地元密着型の萩錦。銘柄も「南アルプス」や「登呂の里」、「安倍川の恵み」に「駿河酔」という風に、静岡市を意識した名前を使っています。首都圏で拡販して一躍幻銘柄へなる。このようなありきたりの発想ではないのがいいところ。
私も萩錦さんに密着しながら、美味しさの追求をし、酒質には自信を持って販売させてもらっています。