月桂冠総合研究所製品開発課秦課長

醸界タイムスに、生みの親の月桂冠総合研究所製品開発課の秦洋二課長の話しがにありましたので御覧下さい。

Q1.

とっても良くできていますが、商品開発の経緯を教えて下さい。

A1.

 着手したのは5年前、商品化までには4年の年月を要しました。これだけ時間がかかったのは、発泡性を持つ低アルコール酒で、しかも飲んでおいしい商品を造るために、原料や仕込み方法などで、さまざまな可能性を模索していたからです。また、こうした特殊な商品は、既存の設備だけでは造ることが困難です。研究室レベルではうまくいっても、実際に工場で商品として生産するとなると、スケールアップや再現性を含めたさまざまな問題が出てきます。こうした問題を一つずつ解決していくのに時間が必要でした。

Q2.

 業界では低アルコール清酒は、過去にも数多く発売されてきましたが、味が薄いなど、酒質の面で多くの問題点を指摘されてきましたが。

A2.

 確かにこれまでアルコール度を10%以下にした商品は、飲んでみると何か足りないと感じることが多かったですが、これは低アルコール清酒の宿命みたいなものだと思います。清酒というのは、アルコール度数が14゜から15゜で味が際立つようにできていますから、それを低アルコールにしていくと、味が薄くなってしまうのは否めなかったわけです。薄さを感じさせない、従来にはない低アルコール清酒を開発したいというのが、当初からの目標でした。

Q3.

二次発酵により味の薄さを克服するという結論は、かなり早くから出ていたのでは。

A3.

 単に清酒に炭酸ガスを加えてアルコール度数を下げるだけでは、先程のように味は軽くなりますが、何か物足りない酒になります。そこで二次発酵させることによって、ある程度テイストに幅があり、アルコール度数を下げてもおいしく飲める酒が造れる、との結論に達しました。もう一点、我々が目標としていたのが、清酒というテイストにこだわりたいということです。ワインのような清酒、ビールのような清酒ではなく、あくまでも清酒のテイストが引き立つような商品にしたいと思っていました。

Q4.

ワイン風、ビール風ではなく、清酒という個性の中で勝負していきたいということですか?

A4.

 そうです。ワインのような清酒ができても、それはワインのまがい物にすぎません。あくまでも清酒としてのおいしさにこだわった商品にしたいというのがZipangの開発基本になっています。

Q5.

結果として純米酒になったことも、清酒へのこだわりによるのですか?

A5.

 まず製法ありきではなく、清酒としてのおいしさを追求していく過程でそうなったということです。アルコール度数が10度以下でも清酒のテイストを持つ商品で、なおかつ爽快感を感じる商品、というコンセプトを追求していった結果が最終的に純米酒になったということです。

Q6.

最近は、Zipangを含めて、多くの発泡清酒が登場してきましたが。

A6.

 低アルコール発泡清酒は、大きく3つのタイプに分類することができます。第一は、既存の清酒に後から炭酸ガスを注入したもの。次に、酵母や醪などを瓶の中に加えて、瓶内で二次発酵させたもの。この方法ですと、味の薄さはある程度克服できますが、製品の間の品質がばらついたり、瓶の中にオレが残るために、爽快感に欠けたりする傾向があります。Zipangはこうした欠点を克服するために、さまざまな試行錯誤を経て第三の方法で開発したものです。

Q7.

第三の方法とは、どのような方法なのでしょうか?

A7.

 一次発酵の過程で強制的にガスを溶け込ませて造ったりもしたのですが、あまりうまくいかない。結局タンク内で二次発酵させて、酵母の発酵による炭酸ガスを徐々に溶け込ませていくことで、オリのないクリアーな爽快感のある酒質を実現しました。

Q8.

このZipangをどのような人たちに飲んでほしいと思いますか?

A8.

 女性をはじめとした清酒ビギナーはもちろんのこと、初めて清酒を口にする方、また飲食店でもメニューに載せてもらい、清酒のおいしさを認識。または再認識するきっかけになればと思います。Zipangは従来清酒を敬遠していた人にも受けいられる全く新しいタイプの日本酒です。