SBS学苑パルシェ 日本酒の楽しみ方 第11期

 ●SBS学苑パルシェ校 日本酒講座 「日本酒の楽しみ方」第11期内容 2007/10〜2008/3

日時

講議内容

使用酒

10月16日

「お酒とは?」

いろんなお酒を飲み比べします。日本酒、ビール、ワイン、ウイスキー、ブランデー、リキュール

11月20日

「日本酒の造り方」

日本酒がどのようにして造られるのかを知ってもらいます。

12月18日

「特定名称」

本醸造や純米に吟醸とか名である特定名称を知ってもらいます。

1月15日

「燗酒」

寒い日に温かい燗酒の魅力を体験しましょう。

2月19日

「日本酒のタイプ」

甘い、辛い、などの味わいを理解しましょう。

3月日

「蔵元見学」

静岡県内の蔵元さんに訪問します。

3月18日(火)  燗酒

 常温よりも温かくして飲む燗。風流がありますね。お酒を温めて飲む常識があるのは日本だけ。清酒も焼酎も温めて飲まれます。

 焼酎は本場九州では今も主流は温かくして飲むことですが、本州は冷たくして飲むのが主流。焼酎蔵は大消費地である東京での飲酒スタイルを見て嘆いていました。「そうやって飲むために作ったんじゃあないけどな。そういう飲み方がいいのなら、よその蔵のを飲んでほしいよ。」焼酎の現況はこのようでありますが、清酒はどうか。

 燗は25年くらい前までは主流でした。しかし清酒消費低迷の打開策としての「ジャパなま運動」がはじまり、フレッシュ感を楽しむ生酒と香りを楽しむ吟醸酒の影におかれてしまい、日の目をみることはなくなりました。

 生酒を売るために燗酒が否定されてしまいました。薬の副作用であります。更に燗酒にとっての悪いことが続きます。宴会の安酒にはまだ燗酒が使われていましたので、安酒の代名詞になってしまいました。

 清酒と焼酎は年間常用の食中酒だから燗で飲めるわけであります。

 このままでは、燗の良さを外国人から教わる事態もありかな。そういう意図もあって、燗酒は講座に組み込まれています。

 ラムは黒糖焼酎と似ていて、ほとんど変わりません。中国にも麦・米焼酎と似ている白酒(パイチュウ)という蒸留酒があります。これらは食前か食後にちょいっと飲むようです。ウイスキーもブランデーもウオッカもテキーラも蒸留酒は食中酒としては飲まれません。ワインは食中酒としてが基本です。でも温めはしません。薬用としてシナモンを入れて温めたりしますが、これはイレギュラー。こうしますとリキュールとなります。

 日本はお茶の飲み方と同様に、お酒も飲まれてきました。氷が自由に手に入らない時代からお酒はあるわけで、夏は冷や(常温)で飲まれ、その他の季節は温めて飲まれてきました。寒い日、体の調子の悪そうな日は娘さんが気を使って熱めにつけていたと言われています。その流れが飲食業に活かされ、常連のお客さんの見かけ上で調子をつかみ、ほどよい温度にして提供するという燗番役がいました。今はいませんね。

 昔は流通が発達しておらず、普段手にする銘柄数は少ないわけです。それ以上にお通い徳利と称した容器を酒屋に持っていって、入れてもらっていたくらいですから、酒を銘柄などで選ぶ常識はなかったことでしょう。つまり、飲用温度に変化をつけて楽しむよりなかったのであります。

 今日はみなさんに2つの徳利を用意しました。一人一本づづお酒を担当し、小さな徳利でそのお酒を飲むための最適な温度を発見してもらい、その温度で今度は大きな徳利で燗をして、みんなに配ってもらいました。

 みなさんにははじめての試みでありました。燗酒は盛り上がってもいいものですが、理科の実験室化していました。

 燗は本物の燗付け器を使いました。燗どうこといいます。私の少ないお小遣いを集めて、買いました。

 おいくら? けっこう高価ですよ。

 左の6本を冷やできき酒して、お好きな1本を選んでもらい、それぞれに決めてもらった飲用温度を発表します。

 神経使って、最適飲用温度を探ってもった結果です。最後はその温度にして、みなさんにお酌してもらい、御賞味いただきました。

越乃幻酒 純吟 → 42゜

 ぬる燗をつけてみた。香りがあっていいのだけど、もっと酒としての味が強い方がいいのではと、温度をあげた。

 45゜にしたら、今度は強すぎたので、その手前の42゜がいいのではないか。

越の華  純吟 → 38゜

 20゜香りが老ねていて好みではない。
 35゜口当たりが優しいが、老ねが気になる。
 40゜フルーティーさが出てきた。苦手な老ね香りもなくなった。しかしアルコール感が強くなってしまった。
 38゜アルコール感を強く感じない良い温度。ここがいい。

萩の蔵 純米 → 40゜

 35゜日本酒っぽさが鼻にくる。
 40゜気にならない。
 50゜アルコール臭が強い。
 55゜味わいに辛さが加わり過ぎる。
 したがって、40゜がいいのでは。

白鷹 超特選純吟 → 45゜

 35゜美味しくなった。でももうちょっと温めたらどうか。
 40゜もうちょっとという感じだ。
 45゜丁度良い。でももうちょっとかな?
 50゜いや、これではきつい。ということから45゜がいいと思う。

連台越し 本醸造 → 45゜

 40゜ふくよかで辛口。でもやや薄い。
 45゜切れよし、バランスよし、辛さよし。
 50゜すっきりだけど辛い。
 したがって、45゜がいいのでは。

白隠正宗 純米 → 45゜

 冷やでは渋味が強い。
 あたためると味がまろやかになる。
 40゜酸味と苦味が出る。
 45゜と55゜にして比べると、45゜の方がまろやか。
 総合的に45゜がいいのではないか。

 このようになりましたが、みなさん立派ですよ。ここまで適格な温度設定。しかも素晴らしいコメント付き。

 酒徒→酒通 進化ですね。

 ますます楽しくなる燗講座ですね。

 みなさんのように巷の飲食店でも、適格な飲用温度で適格な燗をつけてくれるといいのですが。

 現実はぬる燗を頼んでも熱燗が来る。冷やと頼んでも、冷蔵庫から出したままの冷たすぎる温度で来る。

 自分で指名したお酒は自分の好みの温度で提供してもいいではないか?と訴えたいところ。一人では勇気がいるので、みんなで飲みに行けばいいですね。

 日本酒講座生の持ち物は、付箋、温度計、筆記用具。MY箸が一般化してきました。MY酒器も許されるでしょうか? グラス、徳利、杯。

 変な人たち、でも客単価は高いぞ〜。嫌われない程度に啓蒙していきましょう。文化は伝えてこそ。伝統です。

2月19日(火) 日本酒のタイプ 日本酒度と酸度

うぐいすが鳴き始めました。
もうすぐ春ですねえ。
日本酒は新酒がラッシュ。
製造は最盛期を越えようとしています。
今回は酒造にかかせない分析値、日本酒度と酸度のお話でした。

日本酒の味

 日本酒は原料が米であります。米由来の味がそのまま活かされています。どことなくごはんぽい味がするわけです。

 そんな日本酒にとって、無い味。それが塩味。味覚で言えば、塩っ辛い味であります。だから、講座にお持ちしたお刺身が日本酒とバカ合うわけなんですね。

お刺身+醤油+わさび+日本酒=

 また、枡の角に塩を乗せて、なめるようにしてお酒を飲むこともうなづけます。

日本酒+塩分=王道 となりましょう。

 それから、講議に入る前の「きき酒」。かなり正解率が上昇してきたのではないでしょうか。私から見ていますと、慣れと余裕が生まれてきたのかなと思います。時間がないっ!などの精神的に追われたりすると、思考回路も混線して、結果がよくありません。気持が開放されて、お酒と波長が合う時は結果も良いものです。

日本酒度と酸度

 これは講座内でも説明しました。甘辛度の指標として、使われてきた数値です。両方の数値が高いほどに辛くなるといえますが、味覚上はいかがでしょう?

 平成元年くらいまでは、特級酒などもあり、級別にお酒を選んでいました。この頃のお酒は吟醸香があるものは珍しかったです。したがって、味わいが香りに左右されないので、日本酒度と酸度の数値のバランスも的を得ているお酒が多かったのです。

 

 しかし、現在と平成のはじめの頃の酒質はトータル的に見れば変わりました。従来の日本酒度と酸度による甘辛判定は通じないことが多いです。

 ただし同一蔵内で同一年に同一に酒造したお酒の場合は違います。日本酒の瓶の中の85%を占める水がいっしょであり、しぼりたての頃は皆香りがありますから、この数値は同一蔵のお酒同士を比べる場合は有効となります。

 たとえば、同じ原料の純米酒のもろみが2本しぼられました。一つは日本酒度が+5で、もう一つが+1。酸度は両方とも1.2としたら、+5の方がすっきりしていて辛く感じるものです。

 数値も使い方次第ということです。万能ではありませんから、日本酒のラベルに書いてある数値は想像の範囲内であることはお忘れになりませんようにお願いします。

 結局のところ、ある場面では精密でありますが、その他の大部分の場面では通用しない。適当ならぬテキトウであります。

 それが言いたいことでありました。

 日本酒度と酸度を体系的に勉強している方は稀。知りもせずにわかったふりをして、他人に強要する方が多いです。注意していきましょう。

 講座では日本酒度と酸度を味わい的に理解しやすくするために、基準酒を設定し、超甘口と超辛口を確認し、次にはやや甘口とやや辛口のお酒を嗜んでもらいました。

 基準酒は銘柄を隠しましたが、あとの4本は銘柄がわかるようにしたために、日本酒度と酸度の違いのよる、味わいの違いがよくおわかりいただけたと思います。

 次は、銘柄を隠した4本の日本酒度と酸度を想像してもらいました。

 新聞紙でわからないようにしてありましたね。2本が本醸造で2本が純米。

 お刺身を食べながら、お話をしながら、4つのお酒の数値を考えてもらいました。そして、各自がホワイトボードに記入。

 理科の実験のようです。そうなんです。私の講座はみなさんにやってもらうことが多くなります。講議ではなく、講座ですもんね。それも日本酒の、 ですね。

 今回はきき酒に使ったグラスを入れれば10個です。1つ50mlも入っていたとしたら、500ml。

 日本酒度と酸度などわからなくなってきますね。お酒は美味しく飲みたいものですもんね。

 記入は真剣にしていただきました。検証のおさらいとまいりましょうか。

 5.と6.はいずれも本醸造でした。5.も6.も日本酒度は+6で、酸度が1.3と1.5。数値からすると、甘辛度はさほど変わりません。しかし、みなさんのお答えは、6.は5.よりもかなり辛いとなりました。

 これはどう判断されるべきでしょうか?

1. 数値は正しく、みなさんは味音痴。
2. 数値だけで甘辛度は判定できない。

 私は2.だと思います。

 俗に土佐のお酒は辛いと申します。日本酒度が高いのではなく、たとえ同じ度数であっても他県のお酒よりも辛い。こういうことではないでしょうか。

 納得! できますね。

 逆に言い換えれば、同じ特定名称で、日本酒度と酸度の数値が同じものを比べてみれば、それぞれの地方の甘辛傾向がわかる。このやり方も日本酒講座としては意味がありそうです。やりましょうか。

 7.と8.は純米酒。7.は奈良の春鹿で8.は秋田の刈穂でした。日本酒度は双方+12、酸度は7.が1.6で8.が1.4。ですから、この2つも数値的にはさほど差がないわけです。

 みなさんのお答えはどうだったでしょう。

 平均しますと、7.の方が8.よりも酸度を上にとっています。これは数値といっしょ。日本酒度も+12や+10とかではありませんが、平均値はだいたいいっしょとなりましょう。

 数は合わねども傾向は合う。→ 結果

 総合的に見ていくのと、個人〃を見ていくのでは違っていますから、それぞれの感想も違っていることでしょう。

 くり返しますが、日本酒度と酸度の数値は
「いい加減のようで精緻。」
「精緻のようでいい加減。」
「味覚は他の要因にも左右される。」のであります。

 基準酒は甘くもなければ辛くもない中間なお酒を選びました。日本盛の上撰です。やはり大手は誰もにうけやすい中間タイプを造るのですね。ある意味では流石です。かなり研究をした結果だと思います。

 日本酒度と酸度についてはよろしいですね

12月18日(火)  特定名称

寒さが深まりました。
人いるところはみなクリスマスムード。
日本酒講座の後にクリスマスの宴も良さそうですね。
人と人が近づき仲良くなるのがお酒の最大の良いところ。
日頃の生活や立場を越えた酒徒同士は大いに宴をして下さいね。


 つまみは今回も静岡市葵区鷹匠にあります薬膳料理のいわとさんにお願いしました。

特定名称

 人に名前があるように、生まれたお酒にも名前があります。

 法治国家の日本においては、すべての物がどこかに所属しているとされます。ゴミは別。例えどんな物でも、生まれや育ちなどがどうなっているかまでもがうるさい昨今。お酒にしても表記義務要項はラベルに記載されています。

 特定名称もそのひとつであり、たいていは表ラベル(わかりやすい部分)にわかるように書かれています。

 名は体を表わすと申します。特定名称によって、ある程度の酒質だと予想できます。

 特定名称から読み取れる重大な2つ。おぼえていますでしょ?何度も言いました。

1.アルコール添加の有無
2.お米の磨き具合

 ここらは飲んだお酒ごと認識にして、こういうものなんだなあと納得して下さい。

 生き物には性別があります。お酒はどうでしょうか?

 日本酒は純米系(米・米麹)と本醸造系(米・米麹・アルコール)に分かれますから、どっちかがどちらか。あなたの感性で決めてもらえばいいです。

 米の磨き具合は人間に例えると何か?

 寛容 → するどさ、こだわり

 かもしれません。

 そんな感じで、自分の感性を大事に育てて下さい。

 感覚の敵は知識です。しかし感性は感覚だけではダメで知識・知性が必要。

 きき酒は感性の世界ですが、きき当ては感覚の世界に近いと思います。だからお酒のことは知らなくても、きき当ては当たるわけです。全国きき酒選手権大会にてお酒に詳しくない方々でも成績の良いのは、これが理由のひとつであります。

 全国きき酒選手権大会のきき酒はきき当てであって、きき酒の一部にしかすぎません。

 まあまあ、深く考えないで下さい。日本酒講座に来たならば、知らない内に日本酒への感性は磨かれていくことと思います。

 お酒を片手に、上のような真剣な顔つきです。ここでしかないあなたなのでしょうか。

 上手になるほどに自信がでてきて、見かけも凄さが生まれます。まずはきき酒も形から入るってことでもいいかと思います。成りきる。

みなさんから集まった言葉を紹介

酒 B
:少し黄色、なし、同じく
:メロン、米のふくらみ、まろやか、あめ、花、ほのかな甘味、まろやかな米の良い香、日本酒といつた香り
:1番好き、弱い柑橘系、嫌い、+2、酸味が強くて後味が辛い、からっとした味、やや甘め、飲み込んだ時にひと癖あり、きらい、1番辛い、私の好み度1番

酒 ロ
:うすい、6より透明、若干黄色
:弱い、フルーティーではない、さわやか、アルコールを感じる、苦手、甘口の香り、日本酒といった香り
:-2、渋味がある、薄い、舌がしびれる苦味、6ほどではないが甘口、控えめな酸味、やや辛い、バタつき感あり、辛い

酒 6
:なし、なしに近い、Bより透明
:それほどしない、リンゴみたい、強い、甘いフルーツ、リンゴみたい、華やかな吟醸香、ペパーミント系のスッキリ
:少し辛いがさわやか、飲んだ後に口の中に香る香りがしっかりしている1番、まろやか、後味が若干辛い、甘く面白みがある、刺激、+-悩む、強い辛味、3つの中で1番甘い

 という具合でした。この言葉もきき酒をする毎に進化していきます。半年後、1年後はどうなっているか、楽しみです。確実に進歩しますから御安心を。

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 特定名称を感覚で考えながら、7つのお酒をお飲みいただきました。

@普通酒 沢の鶴フレンド
A特別本醸造 越の寒中梅
B純米 萩の蔵
C吟醸 宴
D純米吟醸 夢灯り
E大吟醸 刈穂
F純米大吟醸 酔鯨

 以上を「アルコール添加の有無」と「精米歩合」を感じてもらいました。

 それと同時に、飲食店で飲む場合の、一杯当たりの金額を想定して、その価格でこのお酒ならばどのくらいの評価が得られるのかを好き嫌い度でグラフにしてもらいました。

 香りが好きがどうかの軸と味が好きか嫌いかの軸を使いました。次のようになりました。

 嗜好品ですから、いろいろです。しかし、

 @を抜かしては傾向がうかがえました。同じ箇所にポイントを付けた方が多かったのもありました。香りの良し悪しがお酒の評価(好きずき)に影響を最も与えていると言えます。

 @に限っては、その例に当たりません。講座中も述べましたが、人生経験の違いによって、このお酒は嗜好されていると思われます。

 私にとって普通酒は、空腹とたばこが最も似合うお酒だと人生経験から得ています。みなさんもに限っては、評価が変わってくることと思います。つかみ所のないお酒ですね。

 さあ、今晩は何にしましょうか?
 お酒ってどんな特定名称でもいいもんですね。

11月20日(火)  日本酒の造り方

きき酒を導入。
きき酒の中でもマッチングと言いまして、きき当てです。
この講座を通して、何か得るものを持っていってほしい。
全国大会に出れば、成績とともに素敵な思い出もできます。
大人でしか味わえない祝杯をあなたにあげてもらいたい一心であります。

きき当て

 冒頭の15分くらいを使って、きき酒をしてもらいました。3つのお酒をきいてもらい、4つ目のお酒は前の3つの内、どれかというのが問題でした。

 当クラスからも全国大会には数名が出場していて、みなさんいい思いでを作られています。昨年は優勝もしましたし、今年は4位でした。

 SBS学苑の他校からも出場をしていますが、個人の部で表彰台に上がったのは、ここパルシェ校だけであります。

 きき酒については、第2期から取り入れてきました。全国大会で優秀な成績を取った方にも最初はこんなことを押し付けるように、ハッパを掛けてきました。

「日本で一番身近な日本一だぞ」と。

 100メートル走で日本一を取るのは、正直無理でしょう。しかしきき酒ならばわかりません。

 いままで全国大会に出れた生徒さんも、最初は何がなんだか、まったくわからず、教室での成績もよくありませんでした。3年くらいかかって、ここまで来たという感じですから、みなさんもそのようにお考えください。大丈夫です。

 上が過去の成績です。次はもちろんあなたの出番ですよ。私もできる限りの協力はしますので、やる気になったら、真剣に本気で取り組んで下さい。

 光のシャワーを存分に全身に浴び、喜びの渦に包まれるあなたの姿を私に見せて下さいね。

 きき酒するときに、お酒の香味などをメモしています。みなさんがどのように書いているかをピックアップしてみました。参考にして下さい。

 基本は「色」「香り」「味」であります。

 では、本題に入りましょうか。

日本酒の造り方

 醗酵でありますね。人間にとって都合のよいのを醗酵とし、都合の悪いのを腐敗。両方とも微生物活動によるものであります。

 アルコール発酵は「醸造」ともいいます。字のごとく、醸し出すことであります。作る、造る、創るとはほんの少しだけ違う気がしています。

 おにぎりとおむすびの違いのようなものであります。見た目はいっしょでも、心と過程が違うわけですね。

 おにぎりは人間の手で作らなくてもいいですが、おむすびとなると、必ず人間の手で作ったものでなければいけません。

 日本酒は「並行復醗酵」という方式で醸されます。

 米を糖化酵素を使って、溶かして糖化液とし、そこに酵母を入れればお酒にはなります。

しかしこれでは単行復醗酵になります。ビールと同じ原理です。

 それでは日本酒の伝統ということからしても寂しいわけで、飲み手を説得できませんし、将来にきちんと価値を残すこともできなくなることでしょう。

 日本酒は世界中の酒類の中で、最も高度な技術を必要とします。

 今の日本酒の基礎が江戸時代にあったことは名誉なことです。

 パスツールよりもはるか昔から、パスツリゼッション(低温殺菌)は行なってきていたのです。

 

 

 今回提供しましたお酒は、製造過程になるべく添うようにチョイスしました。

 仕込んだ後の「もろみ」に近い「にごり酒」。

 酒粕と清酒に分けた状態から「おり引き」してからは何もしない「無濾過生原酒」。

 醗酵を感じさせるプチプチと炭酸が入った「発泡清酒」。これは「無濾過生原酒」など酵母と糖化酵素が活性しているお酒を加水し、瓶内に糖分(酒粕やおり)を入れて、酵母が瓶内で二次醗酵させたものです。加水するのは、飲みやすくする事と、酵母が動きやすくするための作用も狙っています。加水前の原酒のままでは、アルコ−ル分が高くて、酵母自身が苦しくなります。

 「無濾過生原酒」を濾過して加水調整し、火入れ殺菌(62゜くらいの低温殺菌)を一度した「生貯蔵」。ここで火入れがなければ「生酒」となります。

 濾過と火入れは酒質の安定化を目的としています。

 火入れ(低温殺菌)しなければ、雑菌に侵される恐れがありますから、「生酒」は発売しない蔵元もあります。

 したがって、「しぼりたて」でも「生酒」ではない場合があります。

 この他、搾ってから「濾過」と「火入れ」をして「タンク貯蔵」し、瓶詰め時に「火入れ」をするものがあります。これは何も表示は書いてありません。普通はこの段階を踏むことになるということですね。

 今回、みなさんの御感想を聞いていましたら、フレッシュさを感じられるお酒が好評でした。

 これは冷やで飲んでいるからということもありますし、いくつかのお酒を同時にきき酒していますと、長所が短所に感じたり、短所が長所に感じたりするからかもしれませんね。

 今回は好き嫌いのタイプを見つける目的の選考ではなく、酒造工程がわかりやすくなるために選びました。

 日本酒講座御用達、静岡市葵区鷹匠にあります、薬膳料理屋「いわと」さんにつまみを作ってもらいました。

 添加物を使わない、体に優しいお料理です。産婦人科にもケータリングしている、言わば妊婦さんも授乳しているお母さんも食べているお料理です。

 いわとさんは産婦人科にも調理指導しています。今回のおつまみの内容は次になります。

10月16日(火) お酒とは?

今月より新期開講。第11期目となりました。
おかげさまで今月から6年目に入りました。
当初は最初の半年でやめる予定が・・・。
やはり酒の魅力でしょうか、魔力でしょうか。魅せられてきました。
お酒に魅せられる、そんな講座を継続していければと思います。

 いろんなお酒を飲み比べしました。日本酒、焼酎、ビール、白ワイン、赤ワイン、ウイスキー、ブランデー、リキュールの8本。

 これだけ一度にいろんな酒類を同時に飲みくらべできることも滅多にないことですね。

 バーに行けば酒類の種類はたくさんおいてありますが、同時にいくつものグラスを目の前にして飲む事はできません。やってくれないだろうし、そんな注文の仕方もしづらいですよね。

 そういうことも平気、いや常識としてできるのが、講座のいいところ。

 実は、講座の前日に机と席の配置、一人当りのグラスの数を学苑側に連絡しておくのですが、ひとり8個づつとお願いしたところ、そんなにたくさん飲ませるのですかと、びっくりしていました。私に言わせれば、そんなにたくさん勉強ですよ、となります。

 グラスに入った状態の色からわかることは、水のような透明なお酒もありますが、水とは違って光っています。これはお酒の精が入っているからです。酒精分と言いまして、アルコールであります。水に数滴のアルコールが入るだけで、その液体は輝きを得ます。我々人間だって同じ事。人間の場合は顔色もよくなり、心も豊かになります。精なるお酒のおかげですよね。

 お酒の原料は何か、製造方法は何かとか、気にしながらお飲みいただきました。
 また、雑句場乱(ざっくばらん)なお話しもしました。その1つとして。日本の酒器には、基本的には脚がついていません。一方、ワインやビールグラスには脚がついております。

 どうしてでしょうか?

 日本でお酒を飲むと言えば、ずっと日本酒のことでありました。平成19年の今はお酒の選択の余地がありますが、一昔前までは「酒 = 日本酒」でした。

 日本酒の消費量は昭和40年代がピークでそれまでは、他の酒類に天下を取られたことがありません。日本酒に変わってビールが消費量として天下を取るのが昭和53年。ですから、酒器文化もずっと日本酒を意識してきました。
 ということは、ずっと昔から変わらなくてもいいというわけですよね。

 つまり、日本のオリジナルは日本酒と焼酎を飲むための器です。元々あった材質をガラス製に変更する必要もありませんでした。徳利とさかずきの世界でした。さかずきはその存在価値は誰にも譲りませんでしたが、進化はしてきました。次の3つの字を御覧下さい。

すべて「さかずき」と読みます。

 ずっと昔、落ちている石の中で、くぼみがあり、お酒を乗せられたり、入れたりできたものをさかずきとしていました。

 石にあらずと書いてさかずきです。飲まない人から見れば、単なる石でしょうが、飲む人にとっては大事な酒器を意味しているのでしょう。石にあらずとその存在を訴えています。

 次に窯業が伝わりお皿ができました。料理を盛り付けるためにあります。飲み手としては、この1枚は料理のためではなく、お酒のためと訴えるように、皿にあらずさかずきであるとなったことでしょう。

 その後、サラダボウルのように木を掘った器も登場しますが、過去同様に木にあらずと存在価値を示しています。

 ここまで酒器にこだわるのは、酒器の存在と飲む人の存在の価値が等しいからではないでしょうか。

 お酒を味わいながら、おつまみとの相性もみてもらいました。

 枝豆、カブの漬け物、クリームチーズ

 これらはお酒と相性りの良いと言われているつまみであります。

 では、相性の合う理由は何でしょう?

 これが相性研究の基礎であります。みなさんから御意見・御感想をいただきました。

1. お酒が美味しくなる組合せ

 漬け物 + 日本酒
 枝豆 + ビール
 塩 + 赤ワイン
(塩が多いと赤ワインの渋味とバランスがとれなくなります。)

 

2. 新しい美味しさが生まれる

 ゆず酒 + チーズ → ヨーグルトっぽい

 これはナイス!
 ということはですよ・・・
 ゆず酒には牛乳が合うと推定されます。 いかがでしょうか? また別の機会にやってみましょう。

 

 このように、相性研究することにより、実際にやってみよう、やってみなければわからない、というような発見があります。お酒とお料理との相性研究は日本酒講座にとって重要な項目であります。あなたの好奇心をくすぐっていきます。

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