SBS学苑パルシェ 日本酒の楽しみ方 第10期

 ●SBS学苑パルシェ校 日本酒講座 「日本酒の楽しみ方」第10期内容 2006/10〜2007/3

日時

講議内容

使用酒

4月17日

「静岡県のお酒」

「忠正-純米大吟醸鑑評会出品酒」「杉錦-大吟醸鑑評会出品酒」「正雪-純米」「小夜衣-純米大吟醸」「伊豆海-純米」「富士錦-純米」「白糸-純米吟醸」

5月15日

「日本酒の原料・米」

日本酒に欠かせない原料米について学びます。

6月19日

「味覚」

ご自身の味覚を認識してもらいます。

7月17日

「きき酒」

タイプ別に分類し、マッチングなどのきき酒もします。

8月21日

「燗酒」

山廃仕込のお酒をお燗します。

3月20日

「蔵元見学」

静岡県内の蔵元さんに訪問します。

9月9日(日) 蔵元訪問 小夜衣 静岡県菊川市

 菊川市の森本酒造に訪問。2006年6月新蔵である平成蔵を施工。菊川町から菊川市になり、菊川駅前も区画整理。富士山空港からは一直線で蔵入りも可能となりました。これからの時代を予感させた一日でした。

 日本酒の楽しみ方と極め方のはじめての合同講座。しかも現地集合現地解散。どのような雰囲気になるのか、正直一抹の不安はありました。森本社長のキャラも手伝って、時間通りにスムーズに完了することができました。

 小夜衣の森本社長さんに製造の順番通りに蔵内を案内してもらいました。さて、その様子を思い出しましょうか。菊川駅前の区画整理に伴って、蔵を移転することになり、平成蔵を新設。主要道路に沿うように、立派な蔵ができました。

 まずは蒸しからです。二重構造の器に700キロまでのお米が蒸されます。写真からもわかるように、人間の背丈よりも大きいです。

 蒸された米は麹米とかけ米に別れます。麹米は麹にするための部屋、通称麹室に入れられます。

 小夜衣の麹室はコンテナ作りでここだけ分離された世界があります。

 麹は水と掛米といっしょにタンクに仕込まれます。森本酒造の場合は、2階に麹室があり、一階のタンクにできた麹を落とし込みます。

 酒造期間中はブツブツと音を立てるように醗酵していることでしょう。

 

 森本酒造の造り方は自然流とおっしゃっていました。その年に収穫されたお米は、その年の天気を物語っています。温度を強制しすぎずに、その年の天候にも従う。まるで敬意を払っているかの如くです。

 この点、しっかりと衛生管理された食品と微生物に頼る醗酵食品との違いが垣間見れます。アメリカ人には日本の醗酵は理解しにくいでしょう。沢庵、納豆がいい例です。きれいに衛生管理された純粋培養だけが食品製造の安心や安全ではないです。

 人間だって、自然の一部。これからは行き過ぎた衛生も見直されるかも知れません。みそ、しょうゆ、日本酒などなど。

 純粋培養系が吟醸系で自然醗酵系が山廃などのきもと系です。森本社長のおっしゃる自然流は上の2つの吟醸系ときもと系の中間ではないでしょうか。こういうことも実際に訪問して、お話をうかがってわかることです。

 みなさんの後ろには、瓶詰めされたお酒がありました。

 古酒と新酒についての質問が飛び交いました。貯蔵についてでしたね。

 しぼった直後にいまいちのお酒でも、もとがしっかり造ってあれば大丈夫。要するに貯蔵・熟成の効果を狙っているのでしょう。

 山田錦のお酒に特に言えることだそうです。春に大したことがなくても、秋にはよくなる。これを”秋上がり”と呼んでいます。山田錦は秋上がりするお酒の原料でもあります。

 いつまで貯蔵するべきか?

 森本社長は10年は寝かしたいと言っておられました。

 では、10年前に造ったお酒と、今年造ったお酒とでは、どちらが美味しいのか?

 「10年経つと酒質が上がっているとしても、10年前の酒造技術などが今よりはよくなかったので、どうかなあ。」

 「結局飲んでみなきゃあ、わからんな。」と森本さんらしい説明でした。

 仕込んだもろみは搾り機により清酒と酒粕とに分けられます。搾る機械をその姿から”ふね”と呼んでいます。槽の字をあてています。

 森本酒造の槽は全自動ではなく、酒袋と言われる袋にもろみを詰めて、その重みで搾る。つまり自分の重さから、袋の縫い目から液体である清酒が出てくるというわけです。

 袋は何十枚もあって、かなりの重さになります。その後は写真の黄色い部分をグイグイと押さえて、搾り切ります。

 酒造期は芳しい香りで搾られてきていることでしょうね。そんなことをみなさんお考えだったと思います。そこで、ようやく小夜衣のお酒を試飲。

 と思いきや、次に待っていたのは、きき酒。

 私も車でしたから、冷やしてきき酒用のお酒を持って来れることができました。

 小夜衣のお酒にまいりましょう。これに本醸造がありました。写真に撮り損ねました。

 写真の左から「小夜衣 純米」「小夜衣 純米 地酒工房」「古酒浪漫 純米10年古酒」「小夜衣の詩」「純米大吟醸おり酒」純米-地酒工房は静岡県の酒米である誉富士を使っています。

 森本さんからも、どうだ? と聞かれていましたね。みんなの反応で売れ行きがわかるともおっしゃっていました。

 古酒は下のように燗をつけても飲みました。

 ここでおつまみを紹介しましょう。

 今回は元受講者であったヒッキーさんと静岡駅南口から徒歩3分にある飲食店「湧登」のマスターである山口さんにお造りいただきました。

 御本人様が蔵元まで来てくれましたね。

 簡単に説明します。

 豆腐、じゃがいも、チーズ4種、刺身、漬け物、おくら、茄子

 みなさんの笑顔をパチリ。私のカメラがしっかりいただきました。

 是非また小夜衣を訪れてみて下さいね。

8月21日(火) 燗酒

 燗酒。
 どことなく昭和の時代を感じます。
 宴会のお酒。おでんと古女房。演歌が似合うお酒。
 平成19年の今、古くて新しい燗酒。予防医学的にもいいお酒です。

 日本酒嫌いになる原因のひとつに、宴会に飲まされた、あのお酒の臭いがあります。1.8Lで700円くらいの酒質が多いこのタイプ。美味しくなくても仕方ありません。

 ここまでの金額に収めるには、安い原料で如何にたくさん作れるかです。

 磨かない飯米からつくったもろみに大量の醸造アルコールを添加し、酸味料や糖類を添加。これを3倍弱に薄めてあります。日本酒本来の姿からはほど遠い。戦争がこの味を作り出しました。

 しかし、これでは燗酒がかわいそう。忘れられたお父さんのようです。

 講座では、いまどきの燗酒を味わう。お酒は静岡県の山廃造りを集めました。純米、純米生原酒、吟醸、純米吟醸生のタイプ6本。銘柄は忠正と杉錦と高砂。

山廃造りとは

 講座では口答で説明しました。テキストにも詳しく書いてあります。酒母造りにおいて、乳酸を添加せずに、天然の乳酸菌の活動によって、乳酸を得る方法です。これには「きもと」「水もと」「山廃」があります。この3つの中で山おろしという作業をしない(廃しした)から山廃と名乗っています。

 飲食店や酒販店で山廃の説明を聞いてみましょう。おもしろいですね。「山おろし廃しもとだから山廃」。ならば吟醸酒はどうでしょう?吟醸酒も山おろしをしません。でも山廃とは書いてありませんね。もちろん、山廃吟醸は別ですよ。一般の吟醸酒でです。だから、山廃造りのお酒の特徴は、乳酸の得方が一番重要となります。「山おろし廃しもとだから山廃」と言う方は二流ですね。

つまみ

 すいません。みなさんがきき酒しているときに、セッティングしていました。かなり焦ってやっていました。写真を取り損ねました。

 燗酒にあうように、熊本の豆腐みそ、磐田の子メロン、秋田のいぶりがっこ、焼津の黒はんぺん、浜松酒造のわさび漬けをお持ちしました。いずれも保存食になりますので、味が濃かったですね。田舎の雰囲気を出してもらうためにもいいなあと思いました。

 これらと静岡の山廃のお酒をあわせてお楽しみいただきました。お酒は16゜の冷やと42゜の燗の両方でお飲みいただき、冷やと燗ではどちらがお好きだったかを聞きました。その結果が下の表であります。

冷やか燗か?

 今回はかなりはっきりした傾向が見られました。
 冷やがよろしいのは、「杉錦-山廃純米」「高砂-山廃純米生原酒」「高砂-山廃吟醸」。
 燗がよかったのは、「忠正-海舟の山廃」「高砂-山廃純米」でした。

 日本酒は飲用温度で味わいの印象が、がくぜんと違ってくるものです。1本のお酒はいろんな温度で試して、好き嫌いを後から考えることもできます。

 日本酒の飲用温度帯は-25゜〜55゜の80゜もあります。世界で類をみない飲料であります。日本酒の商品特性の重要な部分でありますから、普段の生活に生かしてみてはどうでしょう。あなたの素敵な燗酒の1本。みつけて下さい。

7月17日(火) きき酒

 きき酒、テイスティング この響き。試飲とは違う、飲酒とも違う。どこかプロっぽい気配がしています。でも、ただただグラスを口元に傾けるだけのこと。必ず向上しますよ。あなた次第です。

〜〜〜〜〜 4タイプ別分類 〜〜〜〜〜

 聞き慣れないことだったことでしょう。日本人は何ごとにつけ、4つのタイプに分類するのが上手です。摺り込まれているのでしょうか。血液型がそうですよね。A、B、O、ABの4つ。また人を評価するのにも無意識に4つのタイプ別分類をしてしまっています。

 左は性格と容姿の軸ですが、これを香りと味の軸にしたのが、日本酒サービス研究会の作った4タイプ別分類。

 日本酒の楽しみ方は半年が1期間。これが終了しますと、お手元に日本酒サービス研究会認定の日本酒アドバイザー認定書が届けられます。ここにもこの4タイプについては書いてありますので、ここで理解しておきましょう。

 左が香りと味の軸にした、日本酒サービス研究会の作った4タイプ別分類。

薫酒(くんしゅ):香りの高いタイプ
爽酒(そうしゅ):軽快でなめらかなタイプ
醇酒(じゅんしゅ):コクのあるタイプ
熟酒(じゅくしゅ):熟成したタイプ

 今回お持ちしたお酒と照らし合わせますと、
薫酒=忠正大吟醸(\4,429)
爽酒=南特別本醸造(\1,050)
醇酒=七田純米(\1,260)
熟酒=八塩折りの酒 8年古酒(\2,500)となります。

 いかがでしょうか? 特徴が出ている典型として選びました。お酒を言葉で表現することも面白いです。だんだん欲が出てくるものです。

〜〜〜〜〜 お酒とお料理の相性 〜〜〜〜〜

 これらのお酒と簡単な料理との相性もみました。お酒とお料理との相性は日本酒講座の大きな柱のひとつであります。

 簡単なおつまみは黒ハンペンを用いました。黒ハンペンに醤油とわさびと唐辛子がどのように影響してくるのかを、日本酒と焼酎とワインを使って試してみました。

 下の表から明らかなことはいくつかあります。

 まず、黒ハンペンに醤油とわさびをつけると、熟成酒以外のお酒との相性はアップするということです。だから、熟成酒のような特別なお酒以外の普段私達の周りにあるお酒は醤油とわさびとの相性は良いということです。

 そして、焼酎の欄を見ますと、醤油+わさびとの相性はよくありません。焼酎は唐辛子という辛味との相性を選ぶべきでしょう。

 白ワインは魚介類にあうという名の「魚河岸」でしたが、黒ハンペンとの相性は良いとは言えず、やはり日本酒の方が合うようですね。

 わさびと唐辛子が出てきましたので、カラシもやってみたい。はい、課題が見つかってよかったです。また相性研究でも取り上げますね。

 ちなみに上の写真の醤油の左にあるのは漬け物でした。

〜〜〜〜〜 きき酒 〜〜〜〜〜

 前回に引き続き、きき酒もしました。前回は5対5のマッチングをしてもらいました。今回は4対1をまずしてもらいました。

 4つのお酒をきき酒してメモを取り、残った1つのお酒が4つのどれかを当てるやり方でした。当たるまで何度もやり直しましたね。このような方法も効果的と考えています。講座内でこういったきき酒が講座的には必要かどうか、お聞きしました。すべての方が必要と手を上げられました。時間的な制約もありますから、無理のないようにやっていきましょう。

 4対1の後は前回同様に5対5のマッチングをしました。

 全問正解者の解答用紙をみなさんに御覧いただきました。色と香りとアルコール感と甘辛と味わいの印象をチェック。グループ分けしてしぼっていけます。例えば、色が確実にあるのが2つあれば、色のあるグループ(2つのお酒)と色のないグループ(3つのお酒)に分けられ、5対5が2対2と3対3になります。色のある2つの内、1つが香りがよく、もう1つが香りがよくない場合は、そこで2つがどれとどれか決定されます。このように香りや他の要素についても、特徴を把握し、分けられれば、楽になってきます。

 きき酒は練習している方も滅多にいませんし、指導場もこの教室くらいです。

 私はSBS学苑で日本酒講座を担当してからずっと、一番身近で簡単な日本一としてすすめてきました。

 我々にとっては、いまからどんなに努力しても、100メートル走で日本一になるのは無理でしょう。極端な比較ですが、御理解いただければと思います。

 日本酒の楽しみ方や極め方だけでは、急な上達は難しいです。2006年は私の自宅で練習をした方々もいました。現在は埼玉県の方に遠隔指導しています。打てば響くようにしていますから、個別な相談には応じます。栄光を目指して、光のシャワーをあなたにも存分に味わってほしいと願っております。

〜〜〜〜〜 柿酢 〜〜〜〜〜

 講座のはじまる前に静岡酵母を世に出した河村伝兵衛先生が私のもとにいらっしゃいました。柿を静岡酵母で発酵させ、東京農大の小泉先生の作った酢酸菌で酢酸発酵して柿酢を作りました。名付けて伝兵衛の柿酢。化粧箱には手書きで書いてもらいました。教室ではみなさんにも御賞味いただきました。柿酢は高級料理の調味料として使われています。この頃は飲酢ブームもあり、血圧も下げる効果があると、柿酢も飲まれているようです。500mlで\3,500の商品です。丸河屋でも買えます。柿はしじみと同じで、酒飲みにはいいようです。私もいろいろと使ってみています。

  8月18日(土)にはSBS学苑の各校の日本酒講座の合同講座があります。静岡県西部地区の蔵元さんをお呼びして、いっしょに飲み食いもするこの講座。他校の酒徒さんとの出会いもありますから、とっても有意義な一日になるかと思います。場所はパルシェですから、お気軽に御参加下さい。

6月19日(火) 味覚

 味覚がテーマでした。私の作った不思議な味覚はいかがだったでしょうか?日常に活用できればいいですね。他の誰かにしてあげてください。では、復習と参りましょう。

あなたの舌

 味覚は文字通り味の感覚ですから、舌が感知することになります。しかし実際の味は、香りと風味も伴いますので、美味しいとかの話しになりますと、複雑になってきます。

 今回はあなたの舌がどのように機能しているのかを確かめてもらいました。毎日飲み食いしますが、舌までは意識しません。舌もいたわってあげたくなります。

 みなさんの舌がどのような味に対して、どのように反応したかを知りたく、水溶液を使って体験し、結果を下の絵にしてみました。水溶液は、砂糖水、塩水、酢、コーヒー、緑茶、わさびでした。

 まっ先に素直に美味しいと感じる味覚は「甘味」「酸味」「塩辛味」でしょう。これらは図から、舌の真ん中から先に集中しているようです。「辛味」「苦味」「渋味」は舌先には感じないようです。特に「苦味」と「渋味」は奥の方で感じられていることがわかります。また、舌だけではなく、口中の皮膚・粘膜にまとわりつく感じがつかめた思います。

 舌ベらの真ん中に味覚を感じる味蕾が集中していると思われがちなのですが、舌の横側は意外にも味覚を感知する場所です。その理由としては、食物が口に入り、噛みます。奥歯で噛んでつぶす動作が主になります。奥歯でつぶしますと、味も出てきます。奥歯の横の舌の部分が発達していると考えられます。奥歯の横は食物のそのままの味を捕らえる機会に恵まれ、舌の真ん中はミックスされた味が与えられます。舌の横の部分は味覚が発達しています。

 昔からの考え方として、甘いものは毒っ気がなく、口の中で味わえるが、苦いものは毒っ気があるので、防御のためにも奥で感じられると言われています。

 食物を取らねば生きていられないということと、美味しさへの追求という、2つの本能が舌を発達させてくれています。味覚は死ぬまで衰えないでほしいものですから、舌も大事にしていきましょう。あなたのお宝です。


きき酒

 5対5のマッチングをしてもらいました。「い」「ろ」「は」「に」「ほ」の5本をきき酒して、次に「A」「B」「C」「D」「E」の5本をきき酒し、最初のいろはにのお酒がABCDEのどれかを当ててもらいました。

 全問正解者はお一人様。おめでとうございます。このようなゲーム感覚でも当たるとうれしいですね。心は少年少女に戻れます。

 いずれできるようになります。左下の表のような成長曲線(実線)を描きます。練習をしなければ、点線のように下降します。

 だれでも向上しますから御安心を!

 10月1日(月)には静岡のホテルセンチュリーで静岡県地酒祭りがあり、ここではきき酒選手権の静岡県予選もあります。予選はお酒の数が6対6になります。是非みなさんにはがんばってもらいたいと願っています。

 みなさんの内で5,6名が集まれば、きき酒の臨時講座(一日講座)も開講できます。きき酒を集中して練習できます。リクエストがありましたら、お申し出下さい。

 きき酒は習うより慣れよ。まずはここからです。

 今回の講座は1時間30分フルに舌を駆使されました。お疲れだったことでしょう。


不思議な味覚

 きき酒の次は私からの不思議な味覚を体験してもらいました。2本の赤ワインを用意。1本はそのままお飲みいただき、もう1本は私の「氣」を入れました。右側がみなさんの前で私が氣を入れたものです。どちらが美味しかったでしょうか?

 みなさんの御意見は次(左下)のようになりました。

 4対2で私の氣の入っている方が選ばれました。ありがとうございます。

 上には「酢」「醤油」「水」「砂糖」と書かれています。

 実は私の氣の正体はこの中の何かでした。もうおわかりですね。◎が醤油についています。

 薄口の赤ワインにちょっとだけ醤油を入れるとコクが増します。これは秘技です。くれぐれもお醤油の量はお待ちがいなく。ほんのちょっとですぞ。

この日の講座は盛り沢山でまだまだ続きます。
 私も準備に時間がかかりましたよ。予習をたくさんしていました。始まる前からへとへとです。
6月は過去最高の5回も講座ありました。
お酒とお料理の相性

 最後はお酒とお料理との相性をみてもらいました。
 お酒は「高砂-楽」「来福-純吟」「国盛-にごり」「Jコブズ-シャルドネ」「Jコブズ-カベルネ」「ビール」の6本。つまみは「イカ」「チーズ」「生ハム」の3つでした。

次のような相性結果となりました。

 ここから導き出されることは、

1.日本酒もチーズと合う。チーズともっとも合っていたのは赤ワインでした。
2.ハムと日本酒の相性はよく、ワインよりもよかった。
3.生臭いイカとワインとは合わなかった。イカともっとも合っていたのは来福でした。
4.ビールは合う合わないよりは、すっきり流す効果がありました。


 お一人様グラス類17個にものぼりました。いやいやお疲れ様でした。

5月15日(火) 「日本酒の原料・米」

 いろんな品種のお酒を試しました。決めては「早生」「中生」「晩生」。この代表が酒造好適米三大品種の「五百万石」「美山錦」「山田錦」であり、米粒も右にいくほど大きい。そして、味わいも繊細から太くなっていきます。

 お酒は8本、すべて純米酒。五百万石-蔵の恵・海舟の山廃。八反錦-来福。美山錦-天領の瀧。誉富士-正雪、駿河酔。玉栄-杉錦山廃。山田錦-鶴齢。

 日本酒は米からできています。ラベルの原材料に米・米麹となっています。両方とも米であります。食べる米とお酒に使う米、すなわち飲む米とでもしましょうか。その違いはおわわかりになられたと思います。現物も持っていきましたし。

 おぼえておくべき言葉。それは酒造好適米。読んで字のごとし。お酒造りに適したお米。

 どんな米?

 はい、すぐに答えたいところ。私はしつこくいいましたね。一口で申せば、大粒心白米であります。

 酒造好適米のビック3(スリー)。

         ・

         ・

 酒米王の山田錦に五百万石と美山錦です。

 その味わいは、早生→中生→晩生の順に濃くなる傾向があります。粒も順に大きくなる傾向があります。ただし、必ずではなく、あくまで傾向です。ビック3で市場は半分以上占めてしますから、この3つのお米から造られたお酒に出会う機会は多くなるわけです。あなた好みのお米をテーマに飲むというのも、なかなか酒徒としてはいいことでしょう。当県、静岡はお酒の人気は上昇中ですが、米処のイメージはありません。地産地消が騒がれる御時世。オリジナルの品種もほしいところです。

 ようやく平成17年に植えられて、平成18年からお酒になりました。その品種は誉富士。山田錦にγ線を当てて、突然変異株から固定化して生まれました。いままでは、若水・五百万石・山田錦が県の酒造好適米と認定されて育成されてきましたが、ついにオリジナルの酒造好適米を誕生させるに至りました。

 誉富士は県庁こめ室も力を入れていますから、マスコミでも周知されてきています。これからの県産酒といっしょに県産米も応援して下さい。このお米から造られるお酒は、果たしてどんな傾向があるのでしょう。平成19年の今年はまだ2年目。ここで断定はできません。これからの県民の意思にかかわっていることでしょう。一つの目安としては、他県で欲しがられるのか?他県の農家や蔵元からお声がかかったりしてくれば、評価を得ていることといえましょう。それは静岡県の米としては快挙に等しいことです。

 米のサンプルを見てもらって、玄米から磨いた米。飯米と酒造好適米を比べてもらいました。

 普段食べているごはんはきれいな白い色をしていると思いますか?

 仕込をしている期間に蔵元にごはんを持っていって、蒸された米と比べて下さい。家のごはんが黄色っぽいと発見がありますよ。それほど磨くことによって、白くなります。そこまでして、磨く。一見無駄に思えるのですが、やはり、きれいで香りがフルーティーですっきりさせるには仕方ないことです。

 一方、磨くことだけが美味しいお酒ではないという考え方もあります。磨かなくても美味しい味わい深いお酒を造ろうという蔵元も増えています。

 これは一つには純米酒は精米歩合の制約がなくなったことに由来しています。

 従来は精米歩合が70%以下でなければ純米酒と名乗れませんでした。しかし、精米歩合の規定がはずされ、玄米でも純米酒と名乗れるようになり、磨かないお米から造ったお酒に光が当たってきました。

4月17日(水) 「静岡県のお酒」

 お酒を学ぶ人のことを酒徒(しゅと)と言います。飲める限りは酒徒でありたいものです。

 静岡のお酒を知ってもらいました。

 酒徒としてほしくなるもの。それは美味しいお酒はもちろんのこと、お酒を中心にして、お酒にまつわるものです。仲間、時間、夢などがそうでしょうし、お酒の会話をするためにはお酒を表現する言葉も必要となります。

 この言葉はやる気にならないと浮かんではきません。日頃から自然や文化とお酒について考察して、言葉を見つけて下さい。

 酒徒としてお酒と接したならば、そのお酒の「美」を感じてほしいです。この「美」はあなた御自身の生き方にも関係してくると思います。各々の職業によっても「美」の認識は違ってくるでしょう。「美」の意識があなたの感性を成長させて、お酒の「心」が読める。つまり、お酒を通じて、「心」ある人間になると、甚だ僭越ですが、私の思っていることです。

 お酒は、香りと味が好みや評価の対象となります。その所以は様々で確定しずらいことですが、次のことは頭に入れておいて下さい。

 余韻に注目してと申しました。どれもこれも、一つ一つの作業から生まれてきます。余韻だけは原料処理ではない作業に影響されます。

 それはどのくらいに気を使った作業か?この1点に尽きます。米洗いや仕込みは映像化されやすく、印象に残る作業のために、誰でも手を抜きません。

 しかし、目立たない、あるいは重労働な作業は、できれば機械化したいものです。

 おそばも手打ちの風景は見せます。でも、肝心なのは、この次の釜の作業なんです。ここが一番難しく、且つ重労働なところです。ここが物造りの心なんです。

 心はいつも見えにくかったり、見えないところにあります。

 花や実は誰でも見れます。誰でもそうなりたいものです。それを支えているのは、枝であり、幹であり、根であります。

静岡のお酒

 偉そうに語ってしまってすいません。そよ風の仕業ですから、気にしないで下さい。

 お酒は7本ありました。静岡県清酒鑑評会の1位と2位のお酒を最初に口にしてもらい、静岡ならではの美を感じてもらいました。この後の5本はかわいそうですが、これも講座です。

 ここまで静岡のお酒が出来上ってくるまでには、いろんなことがありました。地理・気候・人、的要因から歴史、水や米についても提案してもらいました。 おわかりですね。

 外国からの旅行者に説明できますか?外国に旅行に行かれたら、自信を持って説明できますか?日本酒の啓蒙はあなたにかかっています。世界に通じる日本酒。静岡酒の魅力を語って下さい。

ピンチをチャンスに

 これが物語的にもいいです。大手から見放された単なる地方の酒から、静岡らしいブランド力を持つまでになった。歴史に絡みました。今一度思い出してくださいよ。ここ重要なんです。語り継いでほしいわけですよ。

 静岡酵母についてや、静岡の新しい独自の酒米「誉富士」についてもおぼえてください。

 今回はおぼえることがたくさんですが、お酒の裏ラベルなんかに書かれています。気にして下さい。

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