SBS学苑パルシェ 日本酒の極め方 第2期

 ●SBS学苑パルシェ校 日本酒講座 「日本酒の極め方」第2期内容 2006/4〜2007/9

日時

講議内容

使用酒

4月25日

「燗酒」

「純米の生原酒」4本を5つの温度にして味わう。

5月23日

「誉富士」

静岡オリジナル酒造好適米、誉富士から造ったお酒を飲み比べします。

6月27日

「吟醸酒の歴史」

明治から平成まで、吟醸酒を追い掛けてみました。

7月25日

「味覚 複雑さを体験」

果実類とお酒類の相性を体験しました。

8月22日

「お酒とお料理の相性体験」

おそばと酒類をあわせて相性体験しました。

9月9日

「蔵元見学」

菊川市の小夜衣こと、森本酒造に行きました。

2007年9月9日(日) 蔵元訪問 小夜衣 静岡県菊川市

 菊川市の森本酒造に訪問。2006年6月新蔵である平成蔵を施工。菊川町から菊川市になり、菊川駅前も区画整理。富士山空港からは一直線で蔵入りも可能となりました。これからの時代を予感させた一日でした。

 日本酒の楽しみ方と極め方のはじめての合同講座。しかも現地集合現地解散。どのような雰囲気になるのか、正直一抹の不安はありました。森本社長のキャラも手伝って、時間通りにスムーズに完了することができました。

 小夜衣の森本社長さんに製造の順番通りに蔵内を案内してもらいました。さて、その様子を思い出しましょうか。菊川駅前の区画整理に伴って、蔵を移転することになり、平成蔵を新設。主要道路に沿うように、立派な蔵ができました。

 まずは蒸しからです。二重構造の器に700キロまでのお米が蒸されます。写真からもわかるように、人間の背丈よりも大きいです。

 蒸された米は麹米とかけ米に別れます。麹米は麹にするための部屋、通称麹室に入れられます。

 小夜衣の麹室はコンテナ作りでここだけ分離された世界があります。

 麹は水と掛米といっしょにタンクに仕込まれます。森本酒造の場合は、2階に麹室があり、一階のタンクにできた麹を落とし込みます。

 酒造期間中はブツブツと音を立てるように醗酵していることでしょう。

 

 森本酒造の造り方は自然流とおっしゃっていました。その年に収穫されたお米は、その年の天気を物語っています。温度を強制しすぎずに、その年の天候にも従う。まるで敬意を払っているかの如くです。

 この点、しっかりと衛生管理された食品と微生物に頼る醗酵食品との違いが垣間見れます。アメリカ人には日本の醗酵は理解しにくいでしょう。沢庵、納豆がいい例です。きれいに衛生管理された純粋培養だけが食品製造の安心や安全ではないです。

 人間だって、自然の一部。これからは行き過ぎた衛生も見直されるかも知れません。みそ、しょうゆ、日本酒などなど。

 純粋培養系が吟醸系で自然醗酵系が山廃などのきもと系です。森本社長のおっしゃる自然流は上の2つの吟醸系ときもと系の中間ではないでしょうか。こういうことも実際に訪問して、お話をうかがってわかることです。

 みなさんの後ろには、瓶詰めされたお酒がありました。

 古酒と新酒についての質問が飛び交いました。貯蔵についてでしたね。

 しぼった直後にいまいちのお酒でも、もとがしっかり造ってあれば大丈夫。要するに貯蔵・熟成の効果を狙っているのでしょう。

 山田錦のお酒に特に言えることだそうです。春に大したことがなくても、秋にはよくなる。これを”秋上がり”と呼んでいます。山田錦は秋上がりするお酒の原料でもあります。

 いつまで貯蔵するべきか?

 森本社長は10年は寝かしたいと言っておられました。

 では、10年前に造ったお酒と、今年造ったお酒とでは、どちらが美味しいのか?

 「10年経つと酒質が上がっているとしても、10年前の酒造技術などが今よりはよくなかったので、どうかなあ。」

 「結局飲んでみなきゃあ、わからんな。」と森本さんらしい説明でした。

 仕込んだもろみは搾り機により清酒と酒粕とに分けられます。搾る機械をその姿から”ふね”と呼んでいます。槽の字をあてています。

 森本酒造の槽は全自動ではなく、酒袋と言われる袋にもろみを詰めて、その重みで搾る。つまり自分の重さから、袋の縫い目から液体である清酒が出てくるというわけです。

 袋は何十枚もあって、かなりの重さになります。その後は写真の黄色い部分をグイグイと押さえて、搾り切ります。

 酒造期は芳しい香りで搾られてきていることでしょうね。そんなことをみなさんお考えだったと思います。そこで、ようやく小夜衣のお酒を試飲。

 と思いきや、次に待っていたのは、きき酒。

 私も車でしたから、冷やしてきき酒用のお酒を持って来れることができました。

 小夜衣のお酒にまいりましょう。これに本醸造がありました。写真に撮り損ねました。

 写真の左から「小夜衣 純米」「小夜衣 純米 地酒工房」「古酒浪漫 純米10年古酒」「小夜衣の詩」「純米大吟醸おり酒」純米-地酒工房は静岡県の酒米である誉富士を使っています。

 森本さんからも、どうだ? と聞かれていましたね。みんなの反応で売れ行きがわかるともおっしゃっていました。

 古酒は下のように燗をつけても飲みました。

 ここでおつまみを紹介しましょう。

 今回は元受講者であったヒッキーさんと静岡駅南口から徒歩3分にある飲食店「湧登」のマスターである山口さんにお造りいただきました。

 御本人様が蔵元まで来てくれましたね。

 簡単に説明します。

 豆腐、じゃがいも、チーズ4種、刺身、漬け物、おくら、茄子

 みなさんの笑顔をパチリ。私のカメラがしっかりいただきました。

 是非また小夜衣を訪れてみて下さいね。

2007年8月22日(水) おそばと日本酒の相性

 お酒とお料理の相性。
 一人よりも二人の方がいい。
 二人いなければ、会話ははじまらない。
 二人の相性がよく、愛が芽生えれば結婚。
 お酒とお料理もまったくいっしょです。いままでなかった第3の味が生まれます。

おそばと日本酒

 合うに決まっていると思われますね。では何がどうして合うのでしょう?と聞けば、美味しいと感じるから・・・。それではおそばやさんで、極普通のお客さんの台詞。我々酒徒はそれでは足りません。ではどのようにすべきなのか。それを今回の講座でやる目的でありました。

 まず、1本づつのお酒の香味特性を言葉で表現します。次におそばの特徴を言葉で表現します。そして、実際に相性を診断します。理解している特徴同士が合わさった時に、どのようなことが起こるのか。

 それを◎○△×で判断すればいいわけです。

 おそばも日本酒も世界に通じる日本の一部。それを世界に通じる説明をつける。世界最高峰のきき酒師になる模擬でもあります。

 おそばはパルシェ6階にある「やぶ福」さんにお願いして、作り立てを出前してもらいました。

 一人前 \700です。

対しますお酒は次の7酒。左から、
「大吟醸-手取川金賞受賞酒」720ml\3,300
「純米吟醸-萩錦」720ml \1,835
「純米生-七田」720ml \1,260
「純米山廃辛口-刈穂」720ml \1,365
「純米山廃-杉錦」720ml \1,260
「古酒-八塩りの酒」500ml \2,500
「本醸造-ブレンド」1.8L約 \2,500となります。

 これらを冷やの状態と一部は燗にしました。
 おそばはそばだけでと、出し汁に薬味すべてをつけていただきました。そばだけでの場合はつゆもつけませんでした。

 前回に続いて、今回もみなさんに自己申告してもらい、ホワイトボードにチェックをしてもらいました。それが下の表になります。わかりにくいので、受講者さんへは紙にわかりやすく、点数などを数値化して書き直してあります。

 結果としては、大満足の内容。

 おそばと日本酒の相性ははっきりしました。少人数でしたが、結果は財産になりますね。今後はこのような、選択もしておそばを食べてほしいです。

 では、結果説明と移ります。

おそばと日本酒の相性診断結果

1. 冷やでは、そばだけよりもつゆと薬味をつけた方が、すべてのお酒で相性がよくなりました。
2. 冷やでは、つゆと薬味を加えますと、すべてのお酒と相性がよくなりました。
3. 冷やでは、お酒に個性がないほど高得点となりました。特にそばだけのときに顕著。
4. 冷やでは、そばだけでもつゆや薬味を加えても、本醸造がトップ。
5. 燗では、燗上がりした、辛口の山廃純米刈穂が断然トップ。すべての方が◎を選択。

 

結果から言えること

1. そばはゆっくり食べるよりは、ずるずると早く食べる。そのため、後を引かないすっきり系のお酒が選ばれた。同じことをくり返して食べるそば。個性的は飽きがくる可能性もあります。平凡でも欠点の少ない、普通の本醸造が合うのでしょう。

2. 刈穂は別物と思えるほどに、燗をつけたら酒質が上がりました。お米やウェハースを思わせる香りとなり、おだやか。味わいは辛口から幅が出るタイプに変貌。コクがあって、どこも出しゃばらないバランス。燗酒としては申し分なくつまみに寄り添うタイプです。このお酒が、単調でおとなしい滋味のそばにあうわけです。

3. おそばに合うのは、そばの香りを邪魔しないおだやかな香りであり、どこか特出していないバランスの良いお酒でしょう。つゆに合うやや熟成感のあるタイプも良しでしょう。

 相性研究は目の前に出されたお酒とお料理を肯定して、特徴をとらえることからはじまります。

 一人より二人。
 お酒だけよりつまみもあり。
 そう思いませんか?

2007年7月25日(水)  味覚 味覚の複雑さを体験

 味覚、それは論理よりも感覚の世界。違ったもの同士出会えば相性が生まれます。人間同士も同様。相性によっては愛が生まれたり、別れたりします。7つのお酒と15種の食物との相性をみました。計105通りでした。

 今回使った15種の食物は果実を中心としました。ワインでは頻繁に用いられる手法です。以前お配りした「河原崎香味ホイール」に乗っ取り、上のように色で分けてみました。左から「ナシ」「バナナ」「レモン」「メロン」「キウイ」「ブルーベリー」「ブドウ」「スイカ」「モモ」「リンゴ」「トマト」「赤ピーマン」「イチゴ」「椎茸ソティー」「ゆで小豆」となります。どうして「赤ピーマン」と「ゆで小豆」と「椎茸ソティー」が入っているのか?

 日本酒をわかりやすく捉えるために、ワインを使っています。そのために上の3つを入れました。そこが素人とプロの遊びの差なんですよ。誰か第3者に見せたときに、立場がなくならないためにも使いました。

 お酒は次の7酒。
大吟醸:手取川金賞受賞酒
本醸造:8つのブレンド
純米:七田精米歩合75%他3つのブレンド
古酒:3つ用意しましたが、木戸泉の古今
低アルコール:
白ワイン:Jコブズシャルドネ
赤ワイン:Jコブズカベルネ

 先月は私の話が長くて、ほとんど飲めなかったです。そこで今月は、これでもかと、大量のお酒を準備して挑みました。11,120ml お一人様 1,390ml もです。

 上のお皿の食物と下のグラスのお酒との相性研究となりました。

 90分間、ひたすら相性度を調べ、無駄話しもなし。果実をあてに、飲酒マラソンでした。

 結果は各自ホワイトボードに記入。105通りも私の口で聞いていたら、時間がかかりすぎますので、このスタイルをとりました。

 後ろ姿ではわかりませんが、誰もがかなり酔いました。フラフラしていないところに真剣さがみえましょう。

 お疲れさまでした。

 今回使った熟成酒について説明します。茨城県の木戸泉の10年古酒をさらに14年自宅熟成させました。24年古酒。味見して、滅茶苦茶美味しくなっていたので、お持ちした次第です。木戸泉は日本で唯一高温山廃造りをしている蔵。その代表銘柄が古今。8年古酒として発売したところ、東大教授の坂口謹一郎博士が販売休止にさせて逸話があります。

 「これを売ってしまったら、おたくは唯の蔵元になる。だからすぐに売るのは止めなさい。」

 この指示で、一旦止めて、更に熟成させての再登場。

 中途半端に開けて、酸化熟成も充分させて、これとない美味しさが生まれました。このお酒の印象は、このタイプがお好きでない場合も、おぼえておいてください。この経験はもうできないかもしれませんので。

 

 果実類+他を中心にお酒をみてみましょう。

・ナシは大吟醸とは相性が良く、白ワインとはよくない。
・バナナは大吟醸と相性が良く、古酒と白ワインとはよくない。
・レモンは大吟醸と純米には良い。
・キウイは古酒と白ワインと赤ワインと相性がよくない。
・メロンは大吟醸と低アルには相性が良い。
・ブルーベリーは大吟醸とが相性が良い。
・ブドウは白ワインと相性が良い。
・モモは大吟醸と純米と相性が良く、赤ワインとはよくない。
・リンゴは白ワインと相性が良く、本醸造と赤ワインとはよくない。
・スイカは古酒と赤ワインとは相性がよくない。
・イチゴは赤ワインとの相性がよくない。
・トマトは本醸造と古酒、白・赤ワインと相性がよくない。
・赤ピーマンは低アルコール酒とは相性がよくない。
・ゆで小豆は純米と低アルコール酒と相性が良い。
・椎茸ソティーはフレッシシュな赤ワインと相性がよくない。

 

 それぞれのお酒との点数を独自の計算方法によって算出した数字は次になります。

ナシ = -7
バナナ = -11
レモン = +19
キウイ = -30
メロン = +6
ブルーベリー = -3
ブドウ = +6
モモ = +1
リンゴ = +16
スイカ = -8
イチゴ = -16
トマト = -35
赤ピーマン = -2
ゆで小豆 = +18
椎茸ソティー = -9

 相性度は次のようになります。

レモン>ゆで小豆>リンゴ>メロン・ブドウ>モモ>赤ピーマン>ブルーベリー>ナシ>スイカ>椎茸ソティー>バナナ>イチゴ>キウイ>トマト

 ゆで小豆が日本酒との相性では良さそうと思いましたが、レモンが一番。どうりで、缶酎ハイやカクテル類などには、レモンが使われているのですね。ノンアルコールでもレモンは使われやすいから、飲料にした場合には、相性が優れているといえましょう。

 相性度が一番低かったトマトは食物の中で、一番多くの国で食されています。お酒との相性をあげるためにも、様々な調理法があるのです。世界の文化を感じます。トマトの食べ方で、その国の飲酒文化がわかることでしょう。

 

 次にお酒ごとに今回の食物との相性の点数(独自の点数化)を算出してみます。

大吟醸  +41
本醸造  -16
純米   +23
古酒   -46
低アル  +11
白ワイン -34
赤ワイン -66

 相性度は

大吟醸>純米>低アル>本醸造>白ワイン>古酒>赤ワイン

 これらの順は、ゆで小豆と椎茸ソティーを抜いた果実類だけにしても同じでした。

 

 以上から言えることと想像できることとして、

・個性的な酒類は相性がはっきりする傾向がある。・・・大吟醸、古酒、白ワイン、赤ワイン
  バナナ + 大吟醸、古酒、白ワイン
  キウイ + 古酒、赤ワイン
  リンゴ + 白ワイン、赤ワイン
  トマト + 赤ワイン

・フルーティーな大吟醸にはフルーツが合う。合わないともひどく崩れない。
 →フルーツをしぼってかけた料理には大吟醸が合う?

・フルーティーなワインにはフルーツが合わない傾向がある。
 →ワインと食するお料理はフルーツをそのまま使わず、煮込んだりソースにしたりして使う。
  トマトも同様。

・古酒は新鮮な果実とは相性がよくない傾向があるが、イチゴはよさそう。
 →ナッツやドライフルーツの香りのする古酒には、同系のナッツやドライフルーツが合うのか?

 とこんな具合である。

 お酒にお料理が加わると、相性が生まれ、あらたな発見があって、お酒、あるいはお料理単独で楽しむよりも楽しくなる。お酒とお料理の相性は永遠のテーマである。

2007年6月23日(水) 吟醸酒の歴史 明治から平成まで

 梅雨・初夏。

 うっとうしさと、爽やかさが織りなす交差点。

 左はこの季節を代表する花。おわかりですよね。

 あま〜く誘惑する香りです。

 3/23 静岡県清酒鑑評会の志太泉の大吟醸の香りにありました。

吟醸酒の歴史

 全員が参加した今回ですから、喋った内容をくり返すことは、必要以上はしないようにします。

 吟醸酒は鑑評会とともに歩んできました。全国区のものは明治40年の全国清酒品評会が第一回。

 明治44年には第一回新酒鑑評会が開催され、これが戦時中は中断されますが、今も続いています。

 銘酒の影には諦めない男のロマンがあり、それを支える女性の存在も大きかったようです。

 今、我々がありがたく、美味しいと飲めるのは、このような土台があったからに違いありません。歴史を聞き、伝統を感じるお酒を飲み、あなたはどのくらいタイムスリップしたことでしょうか?想像が空気となって、身体に入っていってくれればよいと企画していました。

伝統酒の傾向

 上の6本のお酒をお飲みいただきました。6本では少ないという方もいれば、多すぎると言う方も当然います。お酒を味わいながら、歴史の流れを理解するには、いくつかのお酒が必要です。1本1本を奥まで味わうには、それを主人公にするべきですね。したがって、来期のはじめの10月には灘の白鷹さんをゲストにお呼びする予定です。灘と白鷹をじっくり味わうことになります。

 今回の伝統酒はすべて共通した香味がありました。

 それは熟成香です。老い香とも呼びます。この香り(匂い)がありますと、それだけでダメなお酒だ。保存管理が悪いと太鼓を叩く方が多いです。

 これは今の飲酒方法が、冷蔵庫から出してすぐに飲んだ状態で、美味しいかどうかを判断するからだと思います。どの家庭にも冷蔵庫があるようになったのは、戦後です。昭和の終わりまでは、お酒は燗をして飲むのが普通でした。ワインのように冷たくして飲もうと「ジャパなま運動」キャンペーン以来、冷酒が定着しました。

伝統酒は伝統的飲酒スタイルで!

 忘れてはいけませんよ。飲み方は一辺倒では面白くありません。私は講座でもお飲みいただいた白鷹を燗しました。45゜にしました。燗の仕方を2通りでつけました。

 自己流ですが、開き燗と閉じ燗と呼んでいる方法でしました。どちらも湯煎。やかんの中でつけます。開き燗はやかんのふたをしない方法。閉じ燗はやかんのふたをする方法です。ふたをすれば、徳利から熱くなったアルコールを含む湯気が出にくくなります。この2本は丸っきり違ったお酒になっていました。

 驚くことに、この2本の香味の差が大きいのです。たいがいは、その温度でそのお酒の味は決まってくるものですが、白鷹はその温度までの過程によって大分違ってくるようです。

 開き燗では骨太の辛口になり、閉じ燗では生っぽさが出てコクがありました。

 飲み手がお酒を選んでいるばかりではなく、お酒も飲み手を選んでいます。

 このようなことも理解してもらえるのが、講座であって、私もうれしいものです。

 今回はおつまみもシンプルな伝統的なものにしました。

 10月は予定通りになれば、灘からゲストにいらっしゃるので、燗についてもやってもらいましょう。先の話ですが、12月もゲスト登場の予定です。お楽しみに。

 極め方の方々とあって、お酒のチェックもしっかりなさっています。さすがです。

 マッチングをしましたね。

 この後から、このようなマッチングは極め方の中で、必要かどうか聞きました。
 6名が必要性ありで、2名が必要性なし。

 賛成派は自分の気持がどうとかではなく、講座的にはやった方がいいという意見が大勢。一方、時間の関係で、もっと他の事も大事というのが大きな理由でした。

 私は常々、習い事は進歩が感じるのがうれしいのではと思っています。習字、楽器の演奏、絵画などがそうです。お酒にもそういう達成感や上達感があってもいいのでは?

 しかも、

・みんな簡単に取り組めること。
・家では(一人では)出来にくいこと。

 となると、マッチングはうってつけです。

 また、私には次のような事情もあります。

 私は一人で支度をしています。日本酒講座の前の講座ない、あるいは早く終わっていれば、支度も余裕があります。しかし、余裕がない場合とか、食べる直前に盛り付けをした方がいいものについては、その時間が必要となります。みなさんにきき酒をしている間が有効時間になるわけです。

 日本酒講座は支度も時間と手間がかかります。一回の講座の荷物は段ボールにして5個〜10個。私は家と教室を4往復しなければなりません。だから、講座が終わる8時にはヘトヘトに疲れているわけなんですね。

 マッチングについては、10月の予選もあることですし、いろいろと考えています。

・1日講座をする。
・きき酒チームを別途作る。

 私からは無理強いはしないようにしたいです。見きわめが必要ですね。(内心はど〜んとぶつかってきてほしい、甘えてほしいと叫んでいますが。)

 学苑の受講者以外の県外の方からリクエストがあり、9月15日(土)にきき酒講座をすることにしました。静岡県予選突破を目指す内容です。

 志しがある方は御検討下さいませ。

 次回の日本酒の極め方は7月25日。味覚がテーマ。日本酒といろんな味付けの相性を研究してみましょう。まだ、誰もやったことのないことをやってもらいます。あなたの生活に役立つ内容となりましょう。お楽しみに。

2007年5月23日(水)誉富士

 静岡のニューフェイス誉富士。
 新米とはまさにこのこと。
 静系88号が富士誉。これは公募を8つしぼった時点で知事が選び。
 逆さ富士ならぬ誉富士に命名されました。(登録の商標はやっかい)
 我々は2作目をききました。

誉富士とは?

 講座内でお配りした資料からもおわかりかと思います。静岡発、初のオリジナル県産酒米。山田錦にγ線を当てて突然変異させて、その中から選抜されて、生まれました。

酒造好適米とは?

 このことを理解していなければ、誉富士がいったいどういうものか、その評価もわかりません。一言で表わすと、「     」でした。

 誉富士のお米は持ってきませんでしたが、誉富士のお酒は8本お持ちしました。2005年は7蔵が醸造して、2006年は14蔵に増えました。静岡県のお酒の知名度が首都圏を中心に上がっていますが、この誉富士が更に評判をよくすることになるのか、いやいや何も変化が起こらないのか。さてまた評判を下げるのか。それはまだわかりません。

 誉富士の真の実力と、これからの人の動向次第でしょう。いままで存在していた代役ならば、酒的には何の変化も起こらず、単にお米の品種が増えただけとなりましょう。何か光るものがあればなあ。それを見つけるのは、人です。我々としては、米には暖かく見守ることができます。酒には飲むということができます。ほんのちょっとでも、気にかけてあげて下さい。

 8本のお酒は嗜好品らしく、みなさんの好みは分かれました。新しいものはとにかく、新鮮味があります。先入観は持たない方が良いです。個々のお酒については、米だけがいっしょで、特定名称(造り)についてはバラバラなので、どれがどんなという評価は考えないようにします。

 お米にも「早生」「中手」「晩生」とあります。酒造好適米のビック3。お知らせしましたね。「山田錦」「五百万石」「美山錦」。それぞれ「晩生」「早生」「中手」 となります。

 味の太さに現れていたと思いますがどうでしょう?

 早生 < 中手 < 晩生

 さて、そのような物差で誉富士を計りますと、どうなりましたか?みなさんの答えは右上にあります。中手〜晩生でした。

 物には生まれと育ちがあります。生まれは山田錦の変異。育てるのは平成の時代の人、環境、経済情勢。米農家と酒蔵の状態が育ての一番の重要点。

 となると、山田錦から同様の晩生は提供しなしでしょう。もし、山田錦を越える酒米の誕生となれば、それは収穫時期などはニの次三の次。日本中をあっと言わせる酒米となるでしょう。そこまででもないことを考えれば、みなさんのお考え通りが妥当。

 教室では、誉富士の将来についても考えてもらいました。(上の図)あれれ〜。ダントツに天まで伸びる青空天上はなし。そこまででもなくても、まあまあかなの晴には点が入っています。また、先行き不透明な曇りにも2名様。誉富士の将来がどうなるのかは、我々が生き商人として見れますから御安心。我々、あるいは一人の酒徒として、誉富士がどうなってほしいのか?それが我々にとって重要でありましょう。毎年出来たお酒を飲んでいけば、誉富士の理想的な使い方もわかると思います。麹向きなのか、掛米向きなのか。磨いて使うタイプか、磨かないで使うタイプか。誉富士が他の酒米よりもかなりいいものだとなった場合は、他県の酒蔵もほっとかないでしょう。そこが目安。他県の蔵が競って使うようになったら、一流の米と称されることでしょう。我々としては、せっかくの静岡のオリジナル。これからも追い掛けてみていきましょう。

 他県の米についても資料をお配りしました。テキストに入っています。(今回は資料まとめに追われました。)平成の今は各地で新しい品種誕生ブーム。酵母開発と同じように開発ラッシュです。それらはほとんど誉富士と同じように、親に山田錦を持っています。同系統なわけです。それはそれでいいと思います。お米の新品種だけ、お酒の新タイプがあると思うと楽しくて仕方ないですよね。講座でも酒米の品種にスポットをこれからも当てたいと思います。米対決。県対抗や品種対抗。農家をゲストに呼んで、飲みながら、飲ませながら、話しを聞かせてもらうのもいいものです。

 来期も米をテーマに組んでみますね。

2007年4月25日(水)燗酒

 今回の燗講座は「純米の生原酒」4本を5つの温度にして味わってみました。燗のお供は静岡おでん。これも定番ですね。

 お酒は「高砂-蔵の恵」「君盃天領の瀧」「高砂-山廃純米無濾過あらばしり」「鶴齢-純米」。

 飲用温度は「冷や」「30゜」「40゜」「50゜」「燗冷まし35゜」。

 結果はサイトでは好評しませんが御了承下さい。受講者には復習レターとして詳細他、まとめを書いてお届けします。


講座ならではの温度計を差し込んでの正確な燗。


一度熱燗にしてから冷ます「燗冷まし」あるいは「燗戻り」を素早くするためにワインクーラーに氷を入れて準備しました。

 燗はみなさんに担当してもらってサービスもしてもらいました。おかげで時間内に終わらせることが出来ました。

 真剣なみなさん。

 4つのお酒の細かいことは後にして、まず燗に向いているのかどうか?両方ともいけるよ、なんて御意見もありましたね。両方いいのは、冷やと燗にそれぞれ得点を加えました。傾向はみられました。

 あれれ、冷やがおおいぞ。

 ここまでは講座内にてわかったことです。

 講座内では最後にお耳だけをかしてもらって、次の事を聞いてもらいました。

 立場が違うと目の前に映る景色すらも違うかもしれません。共感は得られなくとも、講師として続けなくてはならないこともありましょう。

 せっかく御参加されているわけです。何かいいことあってほしいなあと思います。

 夢の実現には時間もかかるかもしれません。教室内でできることと、できないこともあります。

 あなたに咲いてほしい花。それはしっかりと大地に根付いて、周りにも明るさや幸せを与えられる。

 一つの大燐をつけるには、根、幹、茎、枝があってこそ。実も種もつければいい。

 切り花よりも・・・・ですよね。
 基本は親孝行かなあ、なんちゃってね。


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