●NO.4「お酒売り場」 2003年11月5日

 新聞で驚くべき記事を見た。驚いているのは、酒屋だけだと思うけど、内容はこうでした。「あなたはお酒をどこで購入しますか?」という問いを消費者になげかけ、次の選択肢の中から答えてもらうというもの。1.コンビニ、2.スーパー、3.ホームセンター、4.酒ディスカウントストアー、5.ショッピングセンター、6.百貨店・・・。おやおや酒専門店、あるいは近所の酒屋という項目がないではないか。これにはおそれいいった。この新聞社には、酒屋の存在意識すらないということになる。もしかして、これが一般常識となってしまったのか。寂しいが、これもひとつの事実として認識しよう。

 では、我々普通の酒屋はどう考えているかというと、確かに数量的には他の業種にはかなわない。自販機の代わりを担うコンビニやスーパーは便利だし、大型店に車で行き一度に大量に買えば、買う頻度も高くなくて済む。これらは、缶ビールを主体とした話し。

 清酒や焼酎はどうであろうか。これらは御客様にこだわりがあり、缶ビールを大量陳列しているようなお店では買わない傾向はある。以前は各地域ごとに、超専門店があり、幻系の銘柄を中心に評判になっていた。幻系は新潟の越乃寒梅が元祖的でありますが、その後、生産量や販売店数というマーケティング部分に力をいれて幻化されていった銘柄がいくつかあります。○代、○自慢、久○田、と聞けばおわかりになるでしょう。これらを買い求めて東奔西走していた人がいかに多かったことか。いまでも有名銘柄として君臨しているというのが、一般的な見方でしょう。私もそう思う。地酒は蔵を中心として、その応援団という雰囲気で盛り上がり、流通に関わる酒屋も消費者と一緒に一喜一憂している。

 しかし、ここにきて、上の○四代、○自慢、久○田、とかの幻系を一生懸命売ってきた酒屋さんたちの売り上げの下げが止まらないというのだ。先日も酒屋さんのためのセミナーで講演した酒屋さんが言っていた。「世間の売り方を否定する形で、超専門店化し、蔵に惚れ込み幻化し、その地域の地酒屋としての確固たる地位を保っていたが、今は世の中が変わってしまったようだ。うちも売り上げは減少の一途。」

 そんなんだ!今まで幻的な銘柄を持つことによって優位性を保ててきたが、そうはいかなくなった。

 さてさて、そんな中でも売り上げを上昇させている酒屋があります。いま売り上げの上昇カーブを描いているのは、すべて幻銘柄に頼らないお店ばかりなのです。インターネット販売をするところもあり、しないところもある。私の静岡県内では、いま一番地酒を売っていると評判のお店は、インターネット販売もしていないし、配達すらやめてしまった店なのです。この店の人に会ってみた。一見変わっている感じ。一生懸命仕事をしているという雰囲気もない。他の酒屋さんに聞いたが、店主の独特の個性で売っているという。個性は何か?それはリズムだそうです。何かわからないような話しですね。

 結局、酒の売り場たる、酒屋もお客さんのニーズに答えているだけでは、だめだってことでしょう。


コラム 丸河屋