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●NO.2「1本の喜び」 2003年1月27日 |
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酒屋は昔は儲かったようです。蔵から樽で仕入れて、水で薄めてお客さんに渡していたわけですから、儲かるはずです。これは昭和30年代前の話でいまは違います。酒屋さんには打栓器があった、そのことが物語っています。残念ながら当店は、その美味しい時期の後に創業したようです。戦後の統制経済が過ぎ去り、酒販売の免許も有名無実化した平成の現代、酒屋は普通は儲かりません。私など専従者給与でお小遣いも少々、自家用車も買えませんから。まあ、自分だけではないと思いますが。 まず1本、が売れるまで。 知り合いの紹介、試飲会での出会い、メール交換からの始まりといろんな御縁で蔵元と知り合います。ここで知り合いになったからといってすぐに取引を開始するわけではございません。これは蔵元も酒屋である当店も同じことなのですが、お互いの考え方を理解し、これから先、取引という商売を通して、いっしよに生きていこうという段階までいってから取引が始まります。もちろんお酒の内容も言うべきことは言いますし、最も重要であることは変わりません。雑誌で話題になっているから、世間では評判のようだから、御客様の問い合わせが多いから。このような理由で取引をして販売すれば、売れるでしょう。いわゆる幻のお酒となるかもしれませんし。しかし、量やお金を追い掛ける気はさらさらないものですから、これから先も、まずは1本の喜びからを続けていきます。1本に、いや1杯のグラスに蔵元や酒屋の思い入れが凝縮されています。そんなお酒を売ること以外に飲むこともできるのですから、喜びもひとしおです。 |