うなぎの蒲焼(お酒選び)

 うなぎったら、夏の食べ物。そう思いがちであります。冬は油が乗って美味しい季節らしいですよ。

 好きなものはいつ食べたって美味しいものであります。

 さて、このうなぎの蒲焼。

 お酒をあわせるのでしたら、いかがいたしましょう?

 うなぎの蒲焼を分解すると。

 うなぎ由来:川の水や土と暮らす川魚類独特の匂いと風味+油っこさ+白身魚に肉の旨味
 蒲焼由来:醤油主体のたれの旨味・甘味+香ばしさ
 山椒由来:スパイシーさ

 つまり、うなぎの蒲焼は、独特の香りと香ばしさを持った、油っぽい濃醇な味わいであります。これに山椒が加わります。香りが複雑になり、味はさっぱりさせてくれる方向に引っ張られます。

 丸河屋酒店として、日本酒とワインをおすすめしますね。

1. まずは日本酒の古酒でございます。日本酒の長期熟成酒でございます。

 どうしてか?
 古酒はうなぎのたれや山椒と似ている要素が多いです。

 古酒の特性は、
 ・まったりした濃醇な味。
 ・醤油を薄めた香り。
 ・たれのような甘味。
 ・香ばしい香り。
 ・八角などのスパーシーさ。

 このように見ていきますと、うなぎの蒲焼と古酒は似たもの同士。醤油が甘く煮詰まったタレに同じような古酒が共鳴。タレをより複雑に美味しく演出してくれます。

 香りの要素も近いものがありますから、口中でもまったく違和感がありません。

 お酒とお料理のあわせ方の基本の一つに、同系をあわせるということがあります。似たもの同士は共鳴するということです。色からも濃い色同士であります。古酒は醤油が甘く煮詰まったものにバッチリあう。うなぎの油っぽい旨味が加われば、向かうところ敵なし。

 

 ただし1点だけご注意を。
 うなぎの蒲焼のように濃い食べ物と古酒のように濃い飲み物を繰り返していますと、 どんどん濃くなっていきます。古酒でも、本醸造タイプの薄口系がよいと思います。

 また、おひたしのような瑞々しいものを添えながら食べることもよいですね。

2. 続きまして、日本酒からもう1本。樽酒でございます。

 うなぎの白焼よりも脂分が多く、タレも濃い蒲焼。

 それに対して樽酒はでしゃばらず、引っ込みすぎずに気を使っているようです。

 樽酒からは自分の個性もも活かしながら、相手も立てるという尊敬効果が感じられます。

 尊敬効果は相性研究としては調和に入ります。

 樽酒の杉の香りがうなぎの蒲焼のタレの香りに調和します。
 山椒の香りにもあい、森林の爽やかさを奏でます。
 魚特有の生臭さを表に出さないのは、日本酒全般に言えること。樽酒もうなぎ特有の香りを丸め込みます。

 樽酒は上立香(鼻から捉える香り)と含み香(口の中で捉える香り)が同じ。
 口中でグンッと膨らむことがないので、バランスよくあいます。

 うなぎの蒲焼 + 樽酒 = 

富士錦純米たる酒

富士錦 純米たる酒

新鮮な樽の風味と飲みやすさ

樽酒ってこんなにも美味しいんです。

これには酒屋もびっくりです。
正直、2009年からはまってしまいました。

500ml-\1,050(税込)

包装 -\1,290(税込)

お買い物の仕方 おかいものかごの中

 樽酒って滅多にお目にかかれなくなりました。結婚式やパーティーの鏡開きの時ぐらいでしょうか。あの何とも言えない新しい木の香り。吉野杉であります。プーンと新緑の香りが立ち上がり、思わずそそわれてしまいます。

 いくら美味しい樽酒でも、手頃な容量の美味しい商品を探すとなると、これまた難しいです。私ですら、正月に杉錦さんに作ってもらう一升の樽酒くらいしか飲むチャンスがありませんでした。

 それがですよ・・・あるのです。できたのでありますよ。

 静岡県は芝川町にある富士錦さんが、純米酒の樽酒を造ってくれました。

 純米酒の樽酒・・・これは異例であります。意外です。

 酒屋の本音・・・実は結婚式などに頼まれて、樽に入れるお酒は、そんなにランクのいいものではありません。樽の香りが強いので、上級酒を入れても意味がないと思われていることと、樽自体の金額がけっこうするので、お酒にまでまわす余裕がないのが現状です。

 つまり、一般的な樽酒は純米酒はもったいなくって使わないのであります。

 富士錦の純米たる酒は蔵元さんが納得して発売している樽酒ですから、味わい的にも妥協をしていないのでありましょう。蔵元のプライドもありますしね。

 吟醸酒のフルーティーさもいいものですね。それと同じくらい、新樽が薫る純米酒から造った樽酒もいいもんです。

3. ワインもおすすめします。

 ずばりピノノワール種から造られた赤ワインです。

 うなぎのたれの膿醇さ山椒のスパイシーさから、カベルネソーヴイニオンやシラーから造られたワインとあうと思いがちですが、そうではありません。

 これらは確かにたれと山椒にはあいますが、肝心なうなぎとあいません。

 ピノノワールから造られたワインをうなぎのたれとあわせました。

 うなぎのたれの甘味とワインの酸味が丁度バランスが取れて、甘酸っぱく美味しいです。

 うなぎのたれ + ピノノワール = 

 山椒のスパイシーさも邪魔になりません。

 山椒 + ピノノワール = 

 うなぎの蒲焼とあわせました。

 うなぎ自身とも違和感なくあいます。調和していますね。うなぎ、たれ、山椒、ワインがそれぞれの長所を持ち合って共鳴しています。ハーモニーを奏でています。四味一体でありますよ。

 うなぎの蒲焼(たれ・山椒) + ピノノワール = 

 これもかなりおすすめの相性です。


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