うなぎの白焼きと日本酒2.

2009年10月5日(月)

 うなぎとお酒の相性研究はこれまで何度もやってきました。
うなぎの蒲焼きと日本酒1
うなぎの蒲焼きと日本酒2
うなぎの蒲焼きとワイン
うなぎの蒲焼きと梅酒
うなぎの白焼きと日本酒1.
うなぎの白焼きと赤ワイン
うなぎの白焼きと白ワイン

 自分で言うのもなんですが、さすがはお酒とお料理の相性は酒屋らしさ以上にやっています。

 今日はうなぎの白焼きに日本酒をあわせます。うなぎの白焼きにあう日本酒2.であります。

 白焼きは、うなぎを素焼きしたものです。だから素材の良し悪しで美味しさが決まります。うなぎを蒸してから焼いた場合はわさびを使い、 蒸さずに焼いた場合は生姜を使うと良いと思います。 これは脂分の量によりますが、いずれも焦げ目がついて、香ばしくて美味しいです。

 今日のうなぎの白焼も生きているうなぎを調理しました。うなぎ屋さんの水槽で泳いでいたうなぎであります。

 うなぎの蒲焼と対比するように、脂分を蒸して落としてあります。わさびでいただく方です。脂分もなく、うなぎ独特の匂いもかなり落ちています。蒸すことと、多くのうなぎに接してきたタレではないことが理由です。タレは新品なうす味を使ってあります。醤油を甘くしたようであります。

 同じうなぎでもうなぎの蒲焼とは違ったお酒が要求されることでしょう。

 それが山廃純米酒であります。うなぎと山廃純米は一度あわせたことがあります。うなぎの蒲焼とあわせました。典型的な山廃の生原酒を使いました。やる前はあうはずだと思い込んではいましたが、実際にあわせてみたら、お酒が強すぎました。

 今回はうなぎの白焼きであり、お酒は生原酒ではなく、加水された一般的なもの。しかも、うわあキモトだあ、山廃だあ、といった独特さが少ないものを選びました。逆に言えば、キモトらしさや山廃らしさが強すぎますと、うなぎとはあいません。山椒としょうゆとはあいますが。うなぎは繊細な味わいをしています。

 来福の愛山という酒米を使った山廃純米酒は、山廃によくある野暮ったい特徴は少なく、飲みやすいタイプです。

 山廃かなあと思うでくらいで、一般的な作り方のお酒とそんなに変わりません。

 これがいいんですよ。さりげなさ。

 まずは山椒とあわせてみました。

 一般的なお酒ではそれぞれが分離独立したように交わりませんが、来福のように山廃らしさが多少でもあるタイプは、その山廃らしさと山椒があいます。

 来福山廃純米 + 山椒 = 

 

 次にワサビとの相性を探りました。ワサビの爽快さはそのままお酒に加わり、辛さはお酒によって抑えられます。ワサビとお酒だけでもグーです。

 来福山廃純米 + ワサビ = 

 

 さて、いよいようなぎの白焼き本体とあわせてみます。いくら白焼きでもうなぎの独特さは持ち合わせています。土っぽい旨苦味があり、ここがうなぎらしさでもあります。

 来福山廃純米の奥で待つ山廃らしさが、うなぎ独特の香味とあいます。お互いを認め合う仲のようです。

 来福山廃純米 +うなぎの白焼き = 

 

 これは樽酒でも見られた見事な調和であります。

 うなぎの白焼き + 山廃純米(山廃らしさの少ないタイプ) = 

 

 うなぎの白焼きには山廃らしさの少ないタイプの山廃、あるいは、キモトらしさの少ないキモトのお酒があいます。

 山廃であって、山廃らしくないお酒。キモトであって、キモトらしくないお酒。これらは飲んで見なければわかりません。らしくないとは、表示されてはいません。このタイプに属するお酒は稀であります。

 私がここまで飲んできて、わかっているのは、次あたりです。

 「白隠正宗 山廃純米大吟醸」
 「杉錦 キモト純米吟醸」(キモトですが、表示はなし)
 「福千歳 山廃純米大吟醸 福」
 「福千歳 山廃純米吟醸 徳」

 また、来福は山廃らしくはないのですが、レモンとは相性がよくありません。このようにすると、山廃らしさを発見できるのであります。

 うなぎと日本酒の相性を探っていますと、キモトや山廃といった、乳酸無添加酒のよさを実感できます。

 今は乳酸を入れたお酒が主流ですが、本流は乳酸無添加でしょう。世間では醸造アルコール添加の有無が問われますが、そういうことを気にするのであれば、乳酸添加の有無も問うべきだと思います。私は全肯定派ですから、すべて認めますが。

 

!今日の格言!

 うなぎの白焼きには、乳酸無添加の造りをした古典的な「キモト」や「山廃」もあう。

 しかし、うなぎは繊細な味わいなため、典型的な「キモト」や「山廃」の個性強いものではなく、繊細なタイプを選ぶべきである。


お酒とお料理の相性 / 丸河屋